頚椎椎間板ヘルニアの症状とその影響!効果的な改善法

頚椎椎間板ヘルニアの症状とその影響!効果的な改善法
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頚椎椎間板ヘルニアは、首の痛みや手のしびれ、動かしにくさなどの症状が現れることがあります。特に30代以降の成人に見られる、比較的一般的な疾患です。この記事では、頚椎椎間板ヘルニアの症状や、効果的な改善策、日常生活で気をつける点を解説します。痛みやしびれから解放され、快適な生活を目指しましょう。

当院では、頚椎椎間板ヘルニアをはじめとした整形外科疾患に加え、自己脂肪由来幹細胞を活用した再生医療にも積極的に取り組んでおります。手術を避けたい方や、長年痛みに悩まされている方にとって新たな選択肢となるよう、最先端の治療をご提案しています。
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頚椎椎間板ヘルニアの症状

軽い違和感程度だったものが日常生活に支障をきたすほど悪化する場合、頚椎椎間板ヘルニアの可能性があります。代表的な症状は、以下のとおりです。

  • 首の痛み
  • 肩や腕の痛みやしびれ
  • 頭痛やめまい
  • 手の動かしにくさや握力低下

首の痛み

ヘルニアによって首の痛みを引き起こすことがあります。鈍痛や鋭い痛み、灼熱痛などがあり、首や肩、背中、前胸部まで広がることもあります。常に痛みがある場合もあれば、くしゃみや咳をしたとき、重いものを持ち上げたとき、頭を特定の方向に動かしたときに痛みを感じる場合もあります。

以下の記事では、椎間板ヘルニアの症状を悪化させる行動や避けるべき日常の習慣について詳しく解説しています。適切なセルフケアのためにもぜひご覧ください。
>>椎間板ヘルニアでやってはいけないこと!悪化を防ぐ注意点

肩や腕の痛みやしびれ

頚椎椎間板ヘルニアは、肩や腕に痛みやしびれを引き起こすことがあります。痛みが片側だけに現れる、両側に現れる、常に続く、断続的に現れることがあります。

頭痛やめまい

頚椎椎間板ヘルニアによって、頭痛やめまいが起こることもあります。後頭部やこめかみに痛みを感じる、頭を動かしたときにめまいや吐き気を感じる場合があります。

手の動かしにくさや握力低下

頚椎椎間板ヘルニアは、手の動かしにくさや握力低下を引き起こすこともあります。物を落としやすくなる、ボタンをとめる、箸を使う、字を書く、ドアノブを回す、蓋を開けるといった動作に支障が出る場合があります。

歩行障害や排尿障害(重症例)

重症化すると、足がふらつく・もつれる、尿が出にくい・漏れやすいなど、歩行障害や排尿障害が起こる可能性もあります。加齢による椎間板の劣化や過度の負担、長時間のデスクワーク、スマートフォンの使用による不良姿勢などが原因と考えられています。

頚椎椎間板ヘルニアの診断方法

頚椎椎間板ヘルニアの診断方法を、以下の項目に沿って解説します。

  • 初期診断(問診・診察)
  • 画像診断(レントゲン検査やMRI検査、CT検査など)

初期診断(問診・診察)

問診では、いつから症状が現れたのか、どんなときに痛みが強くなるのかなどを質問します。痛みやしびれの程度を伝えることも重要です。診察では首の動きや感覚、腕や手の筋力などをチェックします。首を左右に傾けたり回したりすることで、痛む場所を調べます。

神経の圧迫が疑われる場合、筋肉の反射や筋力、感覚を検査します。上腕二頭筋の反射が弱くなっていたり、親指の感覚が鈍くなっていたりする場合は、神経が圧迫されている可能性があります。

画像診断(レントゲン検査やMRI検査、CT検査など)

問診と診察の後に行う検査は、以下のとおりです。

  • レントゲン検査骨の形・並び・変形を確認し、ヘルニアの可能性を推測する
  • MRI検査断面図から椎間板・神経・筋肉の状態や神経圧迫度を確認する
  • CT検査レントゲンより詳細な断面図で骨や椎間板の状態を確認する

アスリートの頚椎椎間板ヘルニアの治療では、けがの予防や診断検査、リハビリ、手術、競技復帰まで、専門家による医療ケアが重要であるという研究結果もあります。治療後も、継続的なリハビリと運動で再発予防に努める必要があります。

頚椎椎間板ヘルニアの治療法

頚椎椎間板ヘルニアの主な治療法は、以下のとおりです。

  • 薬物療法(鎮痛剤・神経ブロック注射)
  • 理学療法(ストレッチ・マッサージ)
  • 装具療法(頚椎カラーなど)
  • 手術療法(椎間板摘出術など)

薬物療法(鎮痛剤・神経ブロック注射)

薬物療法は、痛みやしびれの緩和が期待できる治療法です。薬で痛みをコントロールすることで、リハビリにも取り組みやすくなる可能性があります。薬物療法で用いられる薬には、以下の種類があります。

  • 鎮痛剤:痛みを和らげることを目的とした薬
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):炎症を抑え、痛みや腫れの軽減が期待できる薬
  • 筋弛緩薬:筋肉の緊張を和らげる薬
  • 神経障害性疼痛治療薬:しびれや神経の痛みの緩和が期待できる薬

神経ブロック注射という治療法もあります。痛みやしびれの原因となっている神経に、直接薬を注射します。神経の炎症を抑えたり痛みを伝える信号に作用したりすることで、症状の緩和が期待されます。細い針を使用することが多く、個人差はありますが、処置時の痛みは比較的軽減される場合があります。

理学療法(ストレッチ・マッサージ)

理学療法は、体の動きや機能を改善するための治療法です。首や肩周りの筋肉を柔らかくしたり、筋力を強化したりすることで、症状の改善や再発予防を目指します。理学療法で行われる主な内容は、次のとおりです。

  • ストレッチ:固くなった筋肉を伸ばし、柔軟性を高める
  • マッサージ:筋肉の緊張をほぐすことで血行を促進し、肩こりや首の痛みを和らげる効果を期待できる
  • 運動療法:首や肩周りの筋肉を鍛えることで、関節の安定性を高め、正しい姿勢を保ちやすくなる

理学療法士のもとで行うことで、効果的に症状の改善が期待できます。特にストレッチは、首や肩の動きがスムーズになり、痛みやしびれが軽減される可能性があります。

以下の記事では、自宅でできるストレッチ方法を紹介しています。痛みの軽減や再発予防を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
>>椎間板ヘルニアに効くストレッチ!自宅でできる痛み軽減法

装具療法(頚椎カラーなど)

装具療法は、頚椎カラーなどで首の動きを制限することで、患部を安静に保ち、痛みの軽減を目指す治療法です。症状が強い時期や、安静が必要な場合に用いられます。首の負担を軽減し、炎症を抑える効果が期待できます。長時間の使用は首の筋肉が弱くなる可能性があるため、装具療法は一時的な治療法です。痛みが軽減してきたら、理学療法など積極的に体を動かす治療に移行しましょう。

手術療法(椎間板摘出術など)

薬物療法・理学療法・装具療法で効果が得られない場合や、重篤な場合は手術療法が検討されます。椎間板の一部または全部を取り除いたり、神経の圧迫を取り除いたりする手術が行われます。感染症や合併症、麻酔のリスクなどがあり、術後のリハビリも重要です。

手術が必要かどうかは、個々の症状によって異なります。医学論文によれば、根性神経痛の多くは保存的治療で改善が期待できるとされています。症状によっては数週間〜数か月で軽減することもあるため、まずは薬物療法・理学療法・装具療法などの保存的治療が一般的に検討されます。

頚椎椎間板ヘルニアの人が気をつける生活習慣

頚椎椎間板ヘルニアの人が気をつける生活習慣は、以下のとおりです。

デスクワーク時の姿勢

長時間のパソコン作業は猫背になりがちで、頚椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させる原因と考えられています。正しい姿勢を保つポイントは、以下の3つです。

  • モニターの位置:目線とモニターの上端を、同じ高さに調整する
  • 椅子の高さ:足の裏全体が床につき、太ももと床が平行になる高さに椅子を調整する
  • 背もたれ:背中全体を背もたれにつけ、腰を支える

1時間に1回程度、立ち上がって軽いストレッチをすることも効果的とされています。

適切な睡眠環境

質の高い睡眠によって首や肩がリラックスし、頚椎椎間板ヘルニアの症状緩和が期待できます。寝姿勢に合った枕やマットレスを選ぶポイントは、以下のとおりです。

寝姿勢枕の高さマットレスの硬さ
仰向け低め適度な硬さ
横向き高め(肩幅程度)やや硬め

枕が高すぎると首が不自然に曲がり、低すぎると首を支えきれないため、首への負担を増大させる可能性があります。仰向けで寝たときに、首が自然なS字カーブを保てる高さが理想です。

マットレスは適度な硬さで、体圧を分散してくれるものを選びましょう。柔らかすぎると体が沈みすぎ、硬すぎると体の一部に圧力が集中してしまいます。寝返りが打ちにくいと、睡眠の質を低下させる可能性があります。

適度な運動

適度な運動は、頚椎椎間板ヘルニアの予防や症状の改善に効果的です。首や肩周りの筋肉をほぐすストレッチや筋力トレーニングの効果は、以下のとおりです。

運動の種類効果
ストレッチ筋肉の柔軟性を高め、血行を促進する
筋力トレーニング筋肉を強化し、関節を安定させる

ストレッチによって、首をゆっくりと左右に倒したり、回したりする運動が効果的な場合があります。首や肩周りの筋肉の柔軟性を高め、血行を促進する効果が期待できます。痛みを感じない範囲で、ゆっくりと行うことが大切です。

筋力トレーニングは首や肩周りの筋肉を鍛えることで、首の安定性を高める効果が期待できます。ダンベルやチューブを使ったトレーニングも効果的ですが、自分の体重を利用した簡単なものから始めることをおすすめします。

ウォーキングなどの軽い有酸素運動も、血行を促進し筋肉の緊張を和らげる効果が期待できます。激しい運動は症状を悪化させる可能性があるので、医師や理学療法士に相談しましょう。

以下の記事では、椎間板ヘルニアを早く治すための生活習慣の改善ポイントを詳しく解説しています。日常生活で気をつけたいことをチェックしてみてください。
>>椎間板ヘルニアを早く治す方法!回復を促進する生活習慣

禁煙

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血行を阻害する可能性があります。椎間板への栄養供給が滞ると椎間板の変性が促進するため、頚椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させる要因と考えられます。禁煙すると血流が改善し、炎症や損傷の回復が早まる可能性や、炎症が抑えられ痛みが和らぐ可能性があります。

禁煙は頚椎椎間板ヘルニアだけでなく、さまざまな病気の予防も期待できます。症状の改善や進行の抑制だけでなく、健康寿命を伸ばすことも示唆されています。全身の健康維持のためにも、喫煙している方は医師に相談してみましょう。

定期的な健康診断

健康診断は、自覚症状のない病気を早期発見するために重要です。頚椎椎間板ヘルニアは、初期段階では軽度のこりや痛みなど自覚症状が軽微であったり、症状がない場合もあり、気づかないうちに病気が進行している可能性があります。定期的な健康診断を受けることで、早期発見・早期治療につながり、重症化を防ぐことが期待できます。

健康診断では、医師の判断により必要に応じてレントゲン検査やMRI検査などで頚椎の状態をチェックすることがあります。検査により骨や椎間板、神経の状態を詳しく確認でき、ヘルニアの有無や程度を評価することが可能です。異常が見つかった場合は専門医の診察を受け、適切な治療を受けましょう。健康診断で気になる点があれば、医師に相談することをおすすめします。

まとめ

頚椎椎間板ヘルニアによって、首・肩・腕の痛みやしびれ、手の動かしにくさ、頭痛、めまいなどが起こる場合があります。歩行障害や排尿障害といった、深刻な症状を招く可能性もあります。

適切な診断と治療によって、症状の緩和が期待できます。正しい姿勢や適切な睡眠環境、適度な運動、禁煙、定期的な健康診断など、少しずつ始めてみてください。医師や理学療法士に相談しながら、より快適な生活を目指しましょう。

以下の記事では、腰椎椎間板ヘルニアの症状をレベル別に分類し、それぞれの対処法について詳しく解説しています。頚椎との違いにも注目して、自分に合ったケア方法を見つける参考にしてください。
>>腰椎椎間板ヘルニア症状のレベル別特徴と対処法

参考文献

Casey E. Natural history of radiculopathy. Physical Medicine and Rehabilitation Clinics of North America, 2011, 22(1), p.1-5.

Watkins RG 4th, Watkins RG 3rd. Cervical Disc Herniations, Radiculopathy, and Myelopathy. Clinics in Sports Medicine, 2021, 40(3), p.513-539.

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